「南桂子展」@館林美術館
久々の更新…。
「南桂子展」を観に、館林美術館に行ってきた。
南さんの名前を知らなくても、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』の表紙(あの、かわいい小鳥のやつ)なら、ああ、見たことあるという方も多いのではないだろうか。
そんな可愛らしい作品を数多く残した銅版画家、南桂子さんの生誕100年を記念した展覧会。
原画を見るのは初めてだったが、まず、今生きていたら100歳の方が作成したとは思えない、古さを全く感じさせないスタイルに驚かされる。
以下、展覧会図録からパラパラと…
もう、単純にすごく好き。
実際に作品と向かい合うと、とても静かな世界がそこにはあって、しばしば登場する女の子の表情のせいなのか、ぽつんと佇んでいる小動物のせいなのか、どの作品にも少しのさみしさが漂っていて、しみじみと見る者を惹きつける。
そして、作品にぐっと近寄ったときに分かる線の繊細さ。まるで、糸のような。
広い面は短い線の集合で塗られて(彫られて)いて、なんだか布に一針一針刺繍をほどこしたようにも見えて、あたたかい。
リトルモアから出ている南さんの画集『bonheur ボヌール』のオビ文を皆川明氏が書いているのも、なんだか納得できる。
ところで、今回展示されていた作品のほとんどが館林美術館所蔵のものだったのだが、こんなにたくさん南さんの作品を持っていたなんて知らなかった!
後期もあるみたいだし、また行こう。
久々に訪れたけど、ほんとに素敵な美術館。晴れの日は、特に。
今日は風が強くてあまり外にいられなかったけど、晴れの日をねらってまた訪れたい。