旅の手帖 〜PARIS編 その3 ‐1
パリ3日目。この日も早起きをして、パリ郊外ヴァンヴの蚤の市へ。
食器などの生活用品から、お宝かガラクタか紙一重のような人形、飾り物、それから古本、古着、中古レコードにいたるまで、ありとあらゆるジャンルのものがずらり。
どう見てもゴミ捨て場から拾ってきただろ?というような人形が、平気で50ユーロとかで売っていて驚きだった。
アンティークの食器や、陶器でできた飾り物など可愛いものがたくさんあったが、いいなと思うものはやはりそれなりにお値段もよく、持ち帰ることも考えたら大変と思って諦めた。
あまり冒険はせず、結局、1匹1ユーロでブタとトナカイ(?)のオブジェをゲット。
なかなかいい顔してる。
他に、ビートルズが表紙の昔の雑誌と、レコードを数枚ジャケ買い。
そういえば、買い物している間トイレに行きたくてしょうがなかったのだが、基本町歩き中にトイレに行きたくなったらカフェかデパートのようなお店に入るしかない。
それか、お金を払って公衆トイレ(有料なのにキタナイところが多い・・・)。
ロンドンでも同様だったが、ほとんどの場合、駅にトイレはない。日本ってなんて親切なんだろうとつくづく思った。
トイレにも行きたいことだし、やや足早に次なる目的地モンパルナスへ。
実は、パリでいちばん楽しみにしていたのがモンパルナス。
まずは、ヴァヴァン交差点にある4大老舗カフェをチェック。
いずれも、狂乱の1920年代に芸術家たちのたまり場となっていたカフェで有名。
全部に行きたかったが、コクトーやピカソが常連だったという「ル・セレクト」に入ることに。
トイレを借りるのに店の奥の方へ行くと、テラス席とはがらりと雰囲気が変わり、薄暗く、どこかアンニュイで、奥の席でもよかったなぁと思った。
そうか、コクトーもここでコーヒー飲んでたのか、、、と感慨無量。
一息ついたところで、次なるはガイドブックには載ってないけどどうしても行きたかった場所、「カンパーニュ・プルミエール通り」へ。
映画好きな人なら、「勝手にしやがれ」のラストシーンで、ベルモンドが追いつめられて絶命する場所として知られているかもしれない。
一見、なんてことない静かな通りだが、ここはかつて芸術家たちのアトリエや住まいがひしめき合っていた界隈。
およそ80年前は、もうそれはそれは賑やかだったに違いない。
「17番地」アジェのアトリエ!
あ、ちなみに撮り忘れたけど「27番地」の扉は、佐伯祐三が描いてる!
そして、
「31番地」マン・レイのアトリエ!!!
ついに来てしまった、という感じ。
感激したのは、その佇まいが実際にマン・レイが生活していた頃と全くと言っていいほど変わっていないこと。
ちなみに、私が持っている本に当時の様子が分かる写真が。
ああ、ここでキキとの蜜月を過ごし、芸術家仲間が出入りして、ポートレート写真撮ったり、日夜バカ騒ぎしたり芸術議論を交わしたりしていたのか、、、と感慨にふけりながら、写真撮ったり壁に触ったり、建物前を何度もウロウロしたりして、もうわたくし完全に不審者 笑。
今も誰かが使っているようだったけど、アーティストかな?うらやましすぎる。
マン・レイのアトリエから数件となりには、芸術家たち御用達「ホテル・イストリア」!
壁のプレートには錚々たるメンツの名前が刻まれていた。
ピカビア、デュシャン、キスリング、マン・レイ、キキ、サティ、リルケ、ツァラ、マヤコフスキー、アラゴン・・・
今はひっそりした通りだけれど、目を閉じれば当時の喧騒が聞こえてくるようだ。
今度パリを訪れる時は、絶対イストリアに泊まろう、と心に決めた。
長くなってしまうので、モンパルナスの続きはまた今度。
つづく…